ピール感が増す苦みがアクセント。ジンでつくるレモンサワーの特徴とは?!【アルコール研究レポート vol.2】

レモンサワー研究所で行った第1回「レモンサワー研究会」引き続きレモンサワーに合うアルコールの調査を行います。今回はジン!
さわやかな風味がレモンサワーにアクセントを加えてくれる人気のアルコールでした。

ジンの特徴とは?

ジンは独特の鋭い切れ味や口内に広がる香りが特徴的なお酒。蒸留酒の中では比較的個性が強くない上、西ヨーロッパでは古くから知られているため、そのまま飲むだけでなく、カクテルの材料として最も多く使われています。

ジンの製造法

ジンは、大麦、ライ麦、ジャガイモなどを原料とした蒸留酒。ジュニパーベリー(主にセイヨウネズの球果)の上に流すことによって香り付けがされているのが特徴的です。

ジンのルーツ

ジンはもともと薬として用いられたお酒でした。1660年、オランダのライデン大学医学部教授、フランシスクス・シルヴィウスが作った解熱・利尿用薬用酒が、普通に飲んでも美味しいことから、広く一般化していきました。

ジンのブランド

ボンベイサファイア

今回利用した銘柄は「ボンベイサファイア」。ラムで有名なバカルディ社の子会社ボンベイ・スピリッツ社ががイングランドのチェシャー州で製造しているジンです。

名前の由来は、英国統治下のインドでジンが人気を博したことから、都市の名前であるボンベイを冠しました。当時はマラリア予防の目的で、トニックウォーターにキニーネを混ぜて飲んでいました。トニックウォーターは医療品ではありましたが、より洗練された飲み物として楽しむ為にジンを加えるようになりました。

「ボンベイサファイア」は、原材料と蒸留方法が他のブランドより際立っています。伝統的な原材料であるジュニパーベリーに加え、9つの香料と植物(アーモンド、レモンピール、スペインカンゾウ、オリスルート、セイヨウトウキ、コリアンダー、シナニッケイ、ヒッチョウカ、マニゲット)が加えられています。ジンの香料は企業秘密として伏せられるのが常ですが、ボンベイ社は公表しています。

通常、アルコール分と香料は混ぜ合わされて蒸留されるが、このスピリッツは蒸留され、その蒸気がハーブやスパイスを通されるため、薫り高いジンに仕上がっています。

ジンのブランドにはこのほかにも、風味を損なわないようにするために少量ずつ製造しているため「ジンのロールス・ロイス」と呼ばれる「タンカレー」や、トウモロコシと大麦から蒸溜した蒸留酒をベースにし、その芳醇で力強い風味から屈強なことで知られたロンドン塔の衛兵隊になぞらえて名付けられた「ビフィーター」などの種類があります。

レモンサワーに最適なジンの組み合わせを銘柄ごとに試してみるのも面白そうですね。

ジン×レモンサワーはピール感を増してくれる

ジンのレモンサワーは、ジン特有のボタニカルの香りが加わって、レモンの柑橘の風味との相性も抜群。ジンの苦みは、レモンのピール感のようで、レモンサワーにアクセントを加えてくれます。さわやかで飲みやすいと評判でした。

「ピール感が際立つ」(30代・男性)
「キケンなお酒の感じがして、ちょっと美味しくなる。」(50代・男性)
「すっきりとした苦みと、ジンの香りで華やかなレモンサワーになる」(20代・女性)

ジンは100%レモンジュースを使ったときにいいかも

ジンをアルコールのベースに使ったときに特徴的なのが「ピール感」。レモンの皮を入れたときのような苦味を足してくれます。

フレッシュレモンのイメージ

ジンをアルコールにするのに最適なのが100%レモンジュースをレモンサワーの素として使ったときではないでしょうか。

100%レモンジュースをレモンサワーの素として使ったとき、生レモンと比べてどうしてもモノ足りなさを感じるときがあります。
そのモノ足りなさの一つが、柑橘特有の苦味。この苦味に近いアクセントをジンは足してくれます。

他には、防カビ剤が気になる海外産のレモンを皮なしで使うときなど、ピール感を足したいときに使うといいのがジンかもしれません。

(おまけ)ジンベースのレモンサワーが飲めるお店

門前仲町にある「酒肆 一村(しゅしいっそん)」は国産レモンを使用したジンベースのこだわりレモンサワーが飲めるお店。大きな氷が入った「名代レモンサワー」のベースは、ジン(ビフィーター)トニックウォーター炭酸水を使用したジントニック。

トニックウォーターを使った「レモンサワー」は、レモンサワー研究所としても新たなジャンル。レモンサワーの宇宙がさらに広がりそうな一杯です。

酒肆 一村では、このほかにも「五味を楽しむ」という隠しテーマの下、甘味、酸味、塩味、苦味、うま味が楽しめる個性豊かなレモンサワーをそれぞれ用意。レモンサワー好きならぜひ訪れたいお店です。